中山 郁美[日本共産党福岡市議会議員(早良区)]

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6月議会

突然提案された教科書採択方法の改悪案の撤回を要求

6月議会, 議会報告

日本共産党の中山いくみ市議は6月13日、福岡市議会本会議で議案質疑に立ち、教科書採択の方法の見直しに関する条例改定案についてただしました。

市教育委員会は、教員が教科書会社の会議に参加するなど不適切な関係だったことが問題になった事件を理由に、「教科用図書採択諮問委員会」を廃止し、「調査研究委員会」へと改変しようとしています。市教委は6月から始まる来年度の道徳科教科書の選定作業に新方法を適用するとしています。

従来の諮問委員会は総数90名のうち現場の教員が半数以上を占め、教科書を比較検討して順位をつけた答申を教育委員に提出する仕組みでしたが、新しい委員会は資料作成に教員が関わるものの委員が30名へと大幅に減らされて教員は一人も入らず、しかも順位をつけずに意見を教育委員に報告するだけとなり、6人の教育委員が数十種類もの教科書から選定することになることが、中山市議の質疑で明らかになりました。

中山市議は「現場の教員を排除することによって、選考作業が専門性、自主性のないものになってしまうのではないか」「このようなやり方は無責任な結果になりかねないのではないか」と追及。星子明夫教育長は「よりよい教科書を選ぶ方法」だと強弁しましたが、中山市議は「国の方針や市長、教育長の考えを教育委員会を通じてトップダウンで現場に押し付ける仕掛けを作っておきたいとの思惑だとすればとんでもない」と批判し、議案を撤回して従来方法を継続し、現場の意見が最大限反映できるようにするよう要求しました。

また、道徳教育のあり方について、教科化された授業で特定の価値観を上から押し付けることは許されず、「学校現場の自主性に委ねるべきだ」と述べました。

さらに、中山市議は、今回議案の提出の仕方について質問。教科書採択方法の変更について議会で議論しておらず、有識者や市民の意見も聞かないまま突然提案したことを批判。中山市議が市教委に対し3週間前から聞き取りを始めたにもかかわらず、議案の有無さえも知らされず、6月議会開会の5日前になって初めて議案説明を受けたことを示し、「前代未聞。議員による調査権や質問権を実質侵害するもの。即刻改めるべきだ」と迫りました。教育長は「十分でなかった点もあった。今後は可能な限り情報提供していく」と陳謝しました。