予算議会
教員不足解消と障害児・医療的ケア児への支援強化を求め、 植木剪定等委託における不正問題をただす
日本共産党の中山郁美市議は、2022年3月22日、福岡市議会の条例予算特別委員会の総会質疑に立ち、新年度から小中学校での35人以下学級を本格実施するにあたって正規教員を抜本的に増やすこと、障害児・医療的ケア児の保護者の就労を保障するために支援を抜本的に改善することを求めました。また、植木剪定と除草の業務委託で発覚した不正問題について、刑事告発もしない軽い扱いを改め、市幹部の関与も含めて徹底調査を行うべきだとただしました。
コロナ禍のもとで暫定実施されてきた小中学校全学年での35人以下学級が2022年度より本格実施される運びとなりました。
中山市議は、教員の長時間・過重労働が常態化していることを明らかにし、教員を必要数増やさずに35人以下学級を実施した2021年度の市のやり方は、教員の「働き方改革」に逆行するものであったと批判。その上で、佐賀県が教員採用試験を年2回実施することで必要な教員数を確保しようとしていることを紹介し、「35人以下学級の効果を生み出すためにも、市独自にでも正規職員の大幅な採用増を図るべきだ」と迫りました。
教育長は「市独自に非常勤講師を増やして対応する」等とごまかしの答弁に終始しました。
昨年国会で成立・施行された「医療的ケア児支援法」には、医療的ケア児に対する施策の充実で保護者の就労を後押しすることが自治体の責務であると書き込まれています。しかし福岡市では特別支援学校に入学する医療的ケア児について、入学後1~2か月間の保護者の付き添いが条件になっており、その間は保護者が働きたくても働けない実態があります。
中山市議は、保護者の就労支援という「医療的ケア児支援法」の趣旨に照らして学校への付き添いの強制はやめるよう求め、教育長は「付き添い期間の短縮については検討する」と答弁しました。
中山市議は、就学前の医療的ケア児を受け入れる保育所を増やすために看護師雇用の補助を増額すること、療育センターや児童発達支援事業所においては肢体不自由児が自力歩行ができずとも通園を受け入れられる体制をつくり、受け入れの時間延長を行うこと等も求めました。
今年2月4日、福岡市や市の外郭団体が発注した樹木の剪定や除草の業務委託契約などに関して、剪定くずや草などの処分費用の伝票が複数コピーされて使いまわされており、過大請求が行われていたことが市より公表されました。市は関わった業者について、競争入札指名停止もしくは警告という処分にし、不正分の返還を求めると発表しています。
中山市議は、この事件について、まだ全容もわからない中で市が民法上の「不当利得」にあたるとして業者への処分を決定したことは、早期に幕引きを図ろうとするあまりにも甘い処分だと指摘。この問題は明らかに意図的に行われた公金詐取であり、刑法246条の詐欺罪として刑事告発すべきではないかと迫りました。また、会員のほとんどが不正に関わっていた福岡市造園建設業協会の会長が、処分内容公表前の2月2日に副市長と面談していることや、今回処分を受けた複数業者がある政党の複数支部に寄付をしていることなどの事実を突きつけ、市の幹部と業界が結託して税金を詐取し、政治家に還流させているかもしれない重大問題であると告発。市長の責任を明確にし、徹底調査を行うべきだとただしました。
中山市議の「市長は自らの政治資金パーティーのチケットを造園業界に購入してもらっているのではないか」との追及に対して、市長は「公表の義務はない」等と言い逃れに終始。徹底調査を行うことも約束しませんでした。
質問を終えて、中山市議からのコメント
<剪定委託の不正問題>