中山 郁美[日本共産党福岡市議会議員(早良区)]

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9月議会

国家戦略特区、市営住宅管理のあり方、教員不足の問題を質問

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福岡市議会の9月定例会で、日本共産党の中山いくみ市議は一般質問に立ち、国家戦略特区、市営住宅管理のあり方、教員不足の問題について髙島市長をただしました。

加計学園疑惑で癒着や利権が問題となった国家戦略特区。中山市議は、福岡市でも、福岡空港へのアクセスバス運行についての規制緩和で市長の「お友達」業者が選定されたのではないかと追及。今後空港から人工島への路線で、同社への大もうけも見据えてのことではないかとただしました。

さらに、法人税軽減の第一号企業の決定、航空法の高さ規制緩和による西鉄のホテル建設への「配慮」など、市長とつながりのある特定企業への優遇が疑われることをとりあげ、市長をただしましたが、市側は否定しました。

中山市議は、「個別の法律を変えることなく、実質一部の勢力だけで一部の区域に当てはまるルールを決め、癒着や利権を生んでいくやり方が特区ではないか」と批判し、憲法95条に違反すると指摘しました。竹中平蔵氏が、特区は「ミニ独立政府だ」などと特区の区域会議で発言していますが、「市としても同様の考えだ」と市長も考えていることが質疑で明らかになりました。

髙島市長が新たに持ち込もうとしている「給料前借り特区」は労働者が働いたぶんの給料を労働者に渡さず、スマートフォンのアプリなどで決済して買い物先の業者に渡すしくみですが、中山市議は、賃金は一定期日に通貨で労働者に直接払わねばならないとする労働基準法24条の原則を崩すものだと指摘。中間搾取やタコ部屋を復活させるものであり、やめるよう迫りました。総務企画局長は「労働者の合意が条件」だから大丈夫であるかのように答え、強行する姿勢を示しました。

市営住宅管理のあり方の問題では、市は市営住宅の管理を住宅供給公社に任せていますが、公社は清掃や草取りなどを住民組織に丸投げしています。

中山市議は、住宅によっては高齢化で対応できないところが生まれている実態を示し、要望があれば公社が行うよう求めましたが、住宅都市局長はあくまで清掃・草取りは「できる限り住民がやるのが望ましい」と答弁するに止まりました。

さらに、公社がつくった『管理組合ハンドブック』は、あたかも強制加入であるかのような記述があり、局長の答弁で法令上の根拠がないことが明らかに。

中山市議は「結社の自由」を侵すとして「裁判になれば負ける代物だ」と警告し、記述を見直すよう求め、管理責任は市と公社にあることを明記するよう迫りました。局長は「見直しを検討したい」と答弁せざるを得ませんでした。

また、中田村団地で迷惑行為をしている住民に対して市と公社が対応してこなかった問題も取り上げ、局長は「公社・市の対応が不十分だった」と認めました。

教員不足の問題では、市教育委員会が必要な正規教員の採用を抑え、その穴を講師で埋めるという対応をとっているため、恒常的に教員の欠員が生じるという重大な事態になっています。

中山市議は、講師頼みのやり方を改め、正規教員の採用を抜本的に増やすとともに、県からの権限移譲に伴って切り下げられた講師の労働条件を元に戻すよう求めました。

教育長は欠員について「できるだけ早期に解消したい」「正規教員の計画的な採用を行う」と答弁。待遇については、「今後とも適正に対応する」と答え、改善の意向を示しませんでした。