9月議会
室見川の改修、避難体制の強化、学校へのエアコン完全設置を要求
福岡市議会の9月定例会で、日本共産党の中山いくみ市議は一般質問で室見川の水害対策、広報など避難対策の強化、学校の特別教室や体育館などへのエアコン設置について質問しました。
7月の豪雨災害時、福岡市内でも65万人余に避難勧告、3715人に避難指示がだされましたが、実際の避難者はわずか0.17%にとどまっていたことが明らかになりました。中山市議は、広報のあり方について追及。町内会長や近所の方の声かけがきっかけで避難して来た人が多数だったという避難所で聞きとった結果を示し、住民の避難行動に結びつくよう避難対策を抜本的に見直し、充実させるよう求めました。市は「効果的な情報発信について検討を行っていきたい」と改善する姿勢を示しました。
この他、避難所が足りていない問題、避難者に弁当が支給されない問題などについても改善を求めました。
また、今回の災害で不通となっている国道263号線については、早期復旧を要求。さらに復旧までの間、唯一のう回路である三瀬有料トンネルを無料化するよう佐賀県道路公社や国と協議するよう求めました。
市内の河川の中で唯一大規模な改修が行われていない西部地区を流れる室見川は、今回の豪雨で氾濫寸前となり、流域の西区早良区の自治協議会が連名で県に対し要望書を提出するなど、住民の中には再び豪雨に見舞われたら大きな災害につながるのではないかという不安が広がっています。中山市議は護岸のかさ上げや河床掘削・浚渫の必要性を指摘し、市が県に早急な実施を求めるよう迫りました。
また、中山市議は専門家からは河川の改修の必要性とともに、避難計画の見直しが重要だと指摘されていることを紹介。逃げ遅れを防ぐため、現在のハザードマップを最大規模の浸水を想定したものに改め、住民に徹底して周知するよう求めました。市は「ハザードマップを新たに作成し、周知徹底を図る」と前向きな姿勢を示しました。
氾濫した場合、浸水することが想定されている避難所については早急な見直しを求めました。
学校のエアコンについては、日本共産党市議団が繰り返し設置を要求し、2年前に福岡市立の小中高校の普通教室へのエアコン設置が実現したものの、多くの特別教室と体育館にはまだ設置されていません。猛暑となった今年の夏、学校はカリキュラムを変更することもできず、40度近くまで気温が上昇した特別教室や体育館で、授業をせざるを得ない状況でした。中山市議は「子どもや教職員の命にかかわる事態。体育館は避難所としての機能も高めなければならない」と指摘し、早急なエアコン設置を求めました。あわせて、PTA会議室や給食室への設置も求めました。
教育長は「多額の費用が必要。施策の優先順位を総合的に判断していく必要がある。今後の検討課題」などと冷たい答弁に終始。中山市議は髙島市長に対し「やる気の問題だ」と述べ、空港への都市高速延伸、人工島の破たん穴埋めなど無駄な大型開発をやめ、予算を最優先で確保するよう要求しました。髙島市長は「教育環境を整備していくことは重要」と言いつつ、エアコン設置には言及せず背を向けました。