中山 郁美[日本共産党福岡市議会議員(早良区)]

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「福岡議会基本条例案」賛成討論

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私は日本共産党市議団を代表してただいま議題になっております議員提案議案第1号「福岡市議会基本条例案」に賛成し、討論を行います。

この間、福岡市議会は議会改革調査特別委員会のもとで、議会基本条例の制定に向けて協議を続け、議会や議員の基本的な役割を記した同条例の素案をまとめ、昨年12月22日から意見公募を行いました。

わが党は同条例の制定に向け、「住民が主人公」を貫き、住民への奉仕を最優先の課題とする地方自治の確立のために、「開かれた議会」をめざす原則を盛り込むこと、議会の役割を変質させる反動的な条項を入れないこと、少数意見を尊重することなどの基本原則をかかげて奮闘してきました。

わが党が「開かれた議会」という原則を特に重視したのは、憲法がうたう「地方自治の本旨」の一つである住民自治において、福岡市議会には大きな課題があると認識しているからです。わが党はこれまで少なくない市民の中から「議会がどんな様子なのかわからない」「議会をもっと身近に」「市政の情報がわかりにくい」という声を聞いており、市民にとって「開かれた議会」となってその解決に資することこそがまさに同条例を必要とする理由(立法事実)でした。

こうした中で、委員長から「たたき台」という最初の文案が示された際にも19項目にわたる修正案を示し、その中では「開かれた議会」という原則を前文や目的に挿入する提案も盛り込んでいました。

わが党の提案の多くは他の会派からは受け入れられませんでしたが、現市政についての一方的な評価を含んだ前文部分はわが党の提案通り修正されました。また、全体として議会の役割を変質させる反動的な条項は入っていなかったため、素案として市民に公表することをわが党も了承しました。

意見公募には、今年の1月22日までに48件の市民意見が寄せられました。意見の中には「『信頼される議会』という箇所を『信頼される開かれた議会に』に、修正してはどうか」など、わが党の提案と重なるものが、いくつもありました。

ところが、同委員会では、そのすべてについて「原文どおり」として一切見直しをしない案が委員長より示されました。

これまで髙島市政が行う意見公募に数多くの市民からの意見が寄せられても、修正や見直しを行わず、いわば「聞き流す」だけの対応がほとんどでした。これは「市民の意見を聞いた」というポーズを取るためだけの悪弊であり、市政をチェックする立場にある議会がそのような因習に倣う必要はありません。まさに市民の声で真摯に自分たちの案を見直すことこそ「開かれた議会」への第一歩だと考えました。

わが党は、条例の細部については今後よりよいものにしていけばよいが、目的や理念にかかわる根幹部分については市民意見を踏まえて見直しをすべきだとして「開かれた議会」「市民福祉の向上」などの文言を前文や目的に入れるよう同委員会で提案しましたが、他の会派の同意を得られませんでした。

こうした経過に照らし、市民の意見を受けて真摯な検討をしたとは言えないことから、条例には反対しないものの、共同提案会派にはならないこととしました。

以上でわが党の賛成討論を終わります。