12月議会
髙島市長の選挙公約と今後の市政について問う
日本共産党の中山郁美市議は、2022年12月14日の福岡市議会の一般質問で、市長選挙における髙島市長の公約と今後の市政について質しました。
髙島市長は11月に行われた市長選挙で、これまでの市政のアピールを前面に出す一方、具体的な公約についてはほとんど明らかにせず、市民からも「今後何をするのかよくわからない」という声が出されていました。中山市議は質問で、選挙中に髙島市長が述べたことや選挙後に明らかになったことについて具体的に質問しました。
選挙公報で市長は「市政信頼度87.3%」だと強調。しかし、これは「迅速で便利なサービスの転換」など、誰も否定できないような漠然としたイメージに対しての回答であったことを中山市議は紹介し、みせかけの宣伝であったことを暴露しました。また、市長は演説で「天神ビッグバンで固定資産税は3倍になる」と強調していましたが、建て替わる予定の7棟のビルだけの概算であり、ごまかしであることが明らかになりました。中山市議は、天神ビッグバンは大手や東京資本の企業ばかりを呼び込んで、地元の中小企業を追い出すものであり、やめるべきだと迫りましたが、市は「今まで福岡になかった企業が来る」など全く地元を顧みない答弁に終始しました。
中山市議は、投票日翌日に報道された「地下鉄七隈線の福岡空港国際線への延伸」についても質問。市長が、他にウォーターフロントやPayPayドームなども含めた総合交通体系を検討すると明言していることに触れ、交通体系を検討するというのならば、西鉄バスなどの路線縮小で交通空白地や不便地が広がっているいま、市が直接住民の生活交通に責任をもってコミュニティバス等を導入することこそ最優先で進めるべきだと求めました。市は「具体的な検討はしていない」としつつ、ニーズについては「多くの意見が寄せられている」と述べ、今後の具体化を示唆しました。また、事業費について局長は過去の例から1200億円という数字を明らかにしました。
市長は選挙中「子育てしやすく、子どもの個性や才能を伸ばせるまちへ」と強調していましたが、12月議会には子育て支援策がほとんど提案されていません。中山市議は全ての子どもに直接行き渡る「給食費無償化」を実施することや、医療費を高校生まで完全無料化にすべきだと求めましたが、市は冷たく拒否しました。また、「感染症に強く、地域が絆で結ばれた安全で快適なまちへ」という市長の公約について、中山市議は、感染症に強い街というならば、残業が常態化している保健所職員について、人員体制を抜本的に強化すべきだと求めましたが、市は、残業は減っているとごまかし、体制強化には言及しませんでした。
市長選挙の中でも問題になった外国企業などが狙っている海の中道へのIR・カジノ問題について、中山市議が市長にIR拒否宣言をすべきだと迫ると、局長は「IRは検討していない、その予定もない」と繰り返し答えましたが、市長本人はいっさい答えませんでした。また、中山市議は髙島市長が公約発表記者会見で「山の登り方を覚えた」と述べていたことについて、選挙で具体的な公約を示さずに知名度だけで選挙をやり過ごすという意味ではないのかと質しましたが、市長はごまかしに終始しました。
中山市議は、これまでの市民無視、憲法無視の姿勢を改め、市民の暮らし応援へ転換することや、非核都市宣言を行うなど、平和の分野において都市外交をすすめるリーダーシップを発揮する都市へと転換するべきだと求めました。